猛烈な台風18号が直撃した沖縄県久米島町は4日明け方まで暴風に見舞われ、各地で被害が相次いだ。電柱が倒壊したほか、屋内運動場の屋根が一部吹き飛んり、民家のガラスが割れたりした。避難所にいた町職員の男性が割れたガラスで顔を切る軽傷を負った。町内全域の3660戸が一時停電し、午後9時現在も1350戸が復旧していない。町によると、農水産関係の被害は少なくとも5500万円に上り、被害は今後膨らむ可能性がある。

屋根がはがれた久米島ホタルドーム=4日午後、久米島町鳥島

くの字に折れた電柱。電線の被害が島のあちらこちらで見られた=4日午後、久米島町嘉

屋根がはがれた久米島ホタルドーム=4日午後、久米島町鳥島 くの字に折れた電柱。電線の被害が島のあちらこちらで見られた=4日午後、久米島町嘉

 同日午前0時49分に最大瞬間風速59・7メートルを観測。久米島町によると、家屋の全壊はないが、屋根瓦が飛んだり、窓ガラスが割れたりするなど一部損壊が相次いでいるという。プロ野球の東北楽天ゴールデンイーグルスも春季キャンプで使用する屋内運動場「ホタルドーム」の屋根が一部吹き飛び、久米島球場の観客席沿いの金網が倒れた。町内の公立の幼稚園や小中学校は3日に続いて休校になった。

 一方、農水産業の被害総額は午後6時時点の調査で約5500万円に及んだ。島の基幹産業であるサトウキビは島の全耕作面積(約900ヘクタール)でなぎ倒され、被害額は約4800万円と算出。牛舎1棟の全壊などで約200万円、台船に乗せた漁船が横倒しになるなど6隻で約500万円の被害がそれぞれ出た。まだ関係団体の報告が出そろっておらず、被害額が増える可能性がある。

 沖縄県などによると、午後6時現在で電柱10本が倒れているのが確認された。町が県を通じて行った災害派遣要請を受け、陸上自衛隊は、インフラ復旧に当たる沖縄電力の作業員など32人を搬送した。

 停電の復旧作業は夜間も進められたが、午後9時現在、完全復旧していない。町も停電や通信回線の断線などで情報収集が追いつかず、大田治雄町長は取材に「1日も早い停電復旧を求めている。被害を早急に調べ、対策を立てたい」と語った。

 沖縄本島でも倒木や外壁がはがれるなどの被害があり、県は5日、翁長雄志知事をトップとする災害対策本部会議を開き、被害状況や今後の対応を話し合う。

 台風は沖縄地方から遠ざかり、5日朝にかけて九州に接近する恐れがある。