沖縄県北中城村の米軍キャンプ瑞慶覧で5日、記者団を前にハリアーの飛行再開を発表した在沖米海兵隊トップのローレンス・ニコルソン四軍調整官(中将)。県民に向け「透明性を確保したい」と繰り返したが、事故原因を明らかにしないまま、ひたすら「安全」を強調した。飛行再開に納得しない県側の反発に関する質問が相次いだが、説得力のある答えは出ず、謝罪もなし。具合の悪い質問が飛び交った末、中将は会見を自ら打ち切った。

ハリアー飛行再開の説明後、通訳が終わらないうちに会見場から立ち去るニコルソン四軍調整官(左端)=5日、北中城村・キャンプ瑞慶覧띱

 四軍調整官事務所の玄関をくぐったエントランスに設けられた会見場。ニコルソン中将の両脇には、「ハリアーのパイロットで30年の経験を持つ」という第1航空団司令官や整備責任者らが並んだ。

 中将以下、皆が硬い表情を崩さず、張り詰めた空気が漂う。マイクの置かれた台の端に両手を置き、カメラを見据えた中将は「米軍と県民の間の透明性を確保する目的で会見を開いた」と切り出した。

 その後も「透明性」に触れた中将だが「調査に関する詳細は言えない」。一方で、過去の事故に触れることなく「この航空機は約40年にわたり安全に飛行作戦を実施した」と安全性を強調。隣の司令官が何度もうなずいた。

 説明が20分余り続いた後、質疑応答が始まったが、記者団とのやりとりは終始かみ合わなかった。中将の言う「透明性の確保」と、事故原因が明らかにされていないこととの矛盾に質問が相次いだが、明確な返答は聞かれなかった。

 次第に険しさが増していく表情。墜落事故に対する謝罪はないまま、「(事故を起こした)パイロットへ心配の声を寄せていただいた県民」などへの謝意で会見を締めくくった中将。記者団への日本語の通訳を待たずに立ち去った。