上京時、こんなに沖縄料理店があるのかと驚く人も多いだろう。銀座にもあちこちにあり、周辺都市でももれなく見つけられる。沖縄人気の象徴だろう

▼その料理店に県産の酒や野菜、鮮魚を卸している香那ホールセールの宇根良樹さん(40)と会った際に話題になった。もっと沖縄食材を広げる方策はないかと

▼宇根さんは「沖縄のメーカーは過去に成功体験があるので、営業が受け身になっていないか」と懸念を漏らした。人気に乗って商品はそこそこ売れてきた。でも、移り変わるニーズを把握しているか、東京の舌が欲するものとの乖離(かいり)はないか。要は、現場にもっと足を運んで情報収集してもいいとの提案である

▼ビジネスであれ、スポーツ、芸術の世界であれ、ちやほやされるまま努力を怠ると、いつの間にか消えてしまう。沖縄の作り手に限らず、こちらの沖縄料理店にも、宇根さんの提案は当てはまる

▼創意工夫があり、予約が取れない店もあれば、料理と値段を見て「ちょっとねー」とグチが出そうな店も案外ある。あとは市場が淘汰(とうた)する…、いやいや沖縄のイメージさえも損ないかねないから、座視できないであろう

▼沖縄の生産者が料理店に、新たな食材やメニューを提案しながら、販路を広げる手もある。まずは実情把握に、東京との往来を増やしてはいかがだろう。(宮城栄作)