【ジョン・ミッチェル特約通信員】情報公開請求で入手した在沖米海兵隊の内部文書は、沖縄県警による抗議行動排除が「遅い」と批判している。元海兵隊員による暴行殺人事件で「抗議行動が全県的に増えた」「反米デモが増える」などと分析しており、県民感情悪化にいら立ちをにじませている。

 県警を批判したのは元海兵隊員が逮捕された2日後、5月21日付でキャンプ・シュワブ憲兵隊長事務所が出した定期報告の電子メール。ゲート前で抗議する市民の排除が「遅い」と不満を表した。

 米軍捜査当局の6月6日付日報は、排除に最大1時間かかった事例を列挙。「軍捜査当局も県警も、地元の感情から離れて日本人と米軍構成員を守る義務があるはずだ」と記した。海兵隊が新任兵士の研修で、県民を「論理的というより感情的」と教えていた見方と符合している。

 同じ日の報告はその2日前に起きた海軍兵による飲酒事故を受け、「全ての軍構成員は敵対グループや個人による攻撃的な反米デモがさらに増えることに注意する必要がある」と表現した。

 さらに、5月23日付日報は、ゲートの警備担当者に対して「在沖米軍基地の存在に極めて批判的な沖縄タイムスや琉球新報のようなメディアによって全ては記録され、利用される恐れがある」と注意を呼び掛けた。一方、両紙などのツイッターで情報収集していると記述し、日報には写真も引用している。

 また、米軍構成員が5月20日、嘉手納基地の外で「言葉と侮辱的なジェスチャーで抗議参加者を挑発した」出来事も記載した。同じ日、キャンプ・ハンセンのゲートには酔った日本人男性が座り込み、暴行殺人事件を受けて「今までのように米国人を好きになれない」と声を上げたという。