2015年度の沖縄県内の市町村立小中学校の歯科検診で、虫歯が10本以上あるなどの「口腔(こうくう)崩壊」状態とされた児童・生徒がいたのは52%の57校に上ることが、沖縄タイムスが各校の養護教諭に実施したアンケートで分かった。このうち半数以上の35校が貧困の影響を指摘。虫歯が悪化し食べ物が飲み込めない、菌が入って発熱し入院したなど、身体の健やかな発達に影響が出かねない深刻な事例も報告された。(社会部・篠原知恵)

口腔崩壊状態にある8歳男児の口内(大阪府歯科保険医協会提供)

 アンケートは県内412校に送付、9日までに110校から回答を得た。15年に大阪府歯科保険医協会が府内の小中学校を対象にした類似調査では、口腔崩壊の子が「いた」とした小中学校は3~4割だった。

 県内で、貧困からの影響が指摘されたケースのうち、「経済的貧困が関係している」としたのは29校だった。

 また、就学援助などで治療は無料であるにもかかわらず、保護者が受診させない事例も多く「親がダブルワークで時間・精神的余裕がない」などと指摘したのは6校だった。

 一方で、必ずしも貧困が関係しないと答えたのは22校。子に対する親の意識の低さや、ネグレクト、親自身に歯磨きや虫歯治療の習慣がない世代間連鎖を指摘する意見があった。

 自由回答では「小1で虫歯12本」「虫歯で食べ物が飲み込めない」「親に歯が痛いと言えず我慢する」などの実態も。生活が崩壊している状況もうかがえ「学校がどこまで介入すべきか難しい。全校にスクールソーシャルワーカーを配置してほしい」との意見も多かった。

 【口腔崩壊とは】10本以上の虫歯や、歯根しか残っていない未処置歯が何本もある状態。学齢期の子どもの場合、よく噛(か)むことができないため必要な栄養を効率よく吸収できず、顎や体、脳の発達に影響を与える可能性がある。