ことしの「体育の日」はたまたま10月10日に当たった。1964年のきょう、東京五輪が開会したことにちなんだ祝日だったが、ハッピーマンデー制度で10月第2月曜日ということになった

▼土曜日から始まる3連休を作り、旅行や消費を拡大する狙いがある。祝日は、人々の行動と意識を変える。政治と深い関係がある

▼ハッピーマンデーにならない祝日もある。11月23日の「勤労感謝の日」。戦前は天皇が五穀の収穫に感謝する新嘗祭(にいなめさい)という祭日だった。2月11日の「建国記念の日」は建国神話に基づく紀元節。日付を固定する選択にも政治がある

▼名付けもそうだ。4月29日は昭和の時代には天皇誕生日で祝日だった。死去後、「みどりの日」という名前で存続し、「昭和の日」に名付け直された

▼そして今、11月3日の「文化の日」(明治天皇誕生日)を「明治の日」に変える動きが首相周辺にあるという。戦後、連合国軍総司令部(GHQ)が皇室がらみの祝日にかけたベールを、1枚ずつはがす。戦前回帰の執念すら感じる

▼明治維新から150年の2018年に政府が記念事業をすることも決まった。「明治の精神に学ぶ」のだという。琉球処分はどう学ぶだろう。13年の「主権回復の日」騒動で、当初は米軍統治下に残した沖縄への視座が全く欠けていたことを思い出す。(阿部岳)