子どもの口腔(こうくう)崩壊について、中部協同病院の歯科医師、大城工さんに聞いた。

子どもの口腔崩壊の影響について語る中部協同病院の大城工医師

 -どんな影響が出るか。

 「小学生から中学生までは、乳歯から永久歯に生え替わる非常に重要な時期。どうせ生え替わるから、と乳歯の虫歯を安易に捉えないでほしい。放置して歯を早期に失うと、その後に生える永久歯の歯並びの乱れにもつながり、新たな虫歯や歯周病で永久歯を失う環境にもなりかねない。過去に乳歯の虫歯を放置して感染症を起こし、頬が腫れて食事が取れない子もいた」

 -口腔崩壊の子が「いた」とした3割が中学校だった。

 「中学生は多感な時期。歯の痛みは耐え難く、集中力低下や情緒不安定につながり、学業や生活に影響を及ぼす可能性もある。前歯の崩壊は人目につきやすく、見た目を気にし、積極的にコミュニケーションが取れなくなることもある」

 -貧困との関連は。

 「虫歯予防は毎食後の正しい歯磨き習慣と、バランスの良い食生活が重要で、各家庭に頼る部分が大きい。生活環境が乱れれば影響は口内に顕著に表れる。そこに貧困が加われば、食生活はさらに乱れ、生活に必死で口の状況に気を配る余裕もなくなるだろう。放置された虫歯は進行し、口腔崩壊の連鎖から抜け出せないケースもある」 

 -今後、何が必要か。

 「虫歯は感染症。切り傷などとは違い自然には治らない。口腔崩壊が進むほど、歯の痛みや治療期間、治療費も倍になる。学校健診で虫歯が見つかり歯科受診を促しても、なかなか治療につながらない学校側の悩みは歯科医も同じ」「特に沖縄は虫歯の罹(り)患(かん)率が全国トップクラス。調査を機に、貧困という大きな課題を抱える沖縄でどうすれば事態を改善できるか、あらゆる視点で考えるきっかけになればいい」