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  • 沖縄の歴史とともに歩んだ那覇市民会館が、老朽化を理由に休館
  • 震度6強以上で倒壊の危険があり、補修費が莫大なら取り壊しも
  • 文化的価値の高さから保存・継承を訴える意見も出ている

 那覇市の城間幹子市長は12日、市役所で記者会見し、老朽化を理由に13日から那覇市民会館を休館すると発表した。震度6強以上の地震で倒壊や崩壊する危険性が高いとの耐震診断結果が出たため。利用再開のめどは立たず、無期限の休館となる。補修工事にかかる経費を算出した上で、年度内にも取り壊すか、継続利用するか、市の考えをまとめ、住民や有識者らの意見を聴く考え。莫大な補修費を要する場合、取り壊しになる可能性もある。

老朽化が進み休館が決まった那覇市民会館=12日午後、那覇市寄宮

ひびの入った那覇市民会館の柱(那覇市文化振興課提供)

老朽化が進み休館が決まった那覇市民会館=12日午後、那覇市寄宮

老朽化が進み休館が決まった那覇市民会館=12日午後、那覇市寄宮 ひびの入った那覇市民会館の柱(那覇市文化振興課提供)
老朽化が進み休館が決まった那覇市民会館=12日午後、那覇市寄宮

 沖縄の本土復帰2年前の1970年に建設された那覇市民会館は「文化の殿堂」として、県民に幅広く利用されてきた。沖縄の歴史とともに歩んできた建物が、保存・取り壊しの岐路に立っている。

 市は、久茂地小跡地に建設する「新市民会館」が開館予定の2021年度まで継続使用する計画だったが、建物の老朽化や耐震診断を踏まえ、前倒しで休館を決めた。

 現会館は老朽化が激しく、2007年度以降はコンクリートの剝離落下が年平均で約5回発生。9月末に結果が出た耐震診断では、1階部分の構造耐震指標(Is値)が0・257となり、国が安全性基準とする0・525を下回った。

 市は休館後、取り壊さず耐震補修工事した場合の費用や期間を算出する調査に乗り出す。年度内にも取り壊すか、補修工事して継続利用するか、市の考えをまとめ、住民や有識者らでつくる検討委員会を立ち上げて議論を深める考えだ。

 現会館を巡っては、取り壊した跡地に市役所真和志支所の新築を求める声がある一方、近代建築としての文化的価値の高さから保存・継承を訴える意見も出ている。

 城間市長は「市民の間でいろいろ意見がある。方向性について集約していきたい」と説明。一方で期限なしの休館に関し「46年間、愛着をもって使い続けてきた方々に大変申し訳ない。やむを得ない策だとご理解いただきたい」と話した。