観光地として知られる那覇市の首里城城下のメインストリート「龍潭通り(当蔵大通り)」で、古都首里らしい趣のある景観を出すため、県が歩道に敷いた石畳が危険とし、周辺住民が改善を求めている。割れたり、ぐらついたりして歩行者が転倒しかねないため。石畳がずれた所で、視覚障がい者用の点字ブロックが外れる事態も起きた。県は修復を進めているが、住民らは「小手先の対応ではなく、生活者の視点で考えてほしい」と訴えている。

石畳が傾いてできた段差=13日、那覇市首里当蔵町の龍潭通り周辺

石畳の歩道整備の進む「龍潭通り」

石畳が傾いてできた段差=13日、那覇市首里当蔵町の龍潭通り周辺 石畳の歩道整備の進む「龍潭通り」

 龍潭通りの中間に位置する同市首里当蔵町の住民や事業者ら60世帯でつくる「首里当蔵町通り会」が1日、県に改善を要望した。7日には散歩中だった住民男性(88)が約3センチの石畳の段差につまずき転倒。壁に頭部を打ち、9針縫った。
 通り会によると、今春から、当蔵町周辺で車の出入りの多い箇所を中心に石畳が割れたり、沈下でぐらついたりして、段差が目立つようになった。

 石畳は琉球石灰岩を使用。雨の日は滑りやすく、滑り止めで加工した石畳の空洞や隙間に高齢者がつえを挟むこともあり、転倒の恐れがあるという。歴史的風景に調和する景観を目指し、歩道や停車帯と同じ白系統にそろえたボラード(車止め)に、車を衝突させる住民もいた。

 通り会の稲嶺広美会長は取材に「高齢の住民が増えている。見た目の美しさもいいが、最も大事なのは安心・安全だ」と強調。「石畳でなく、アスファルト舗装など普通の歩道に変えてほしい」とも訴えた。

 一方で県南部土木事務所は13日、割れた石畳などの補修工事に着手。県は取材に「(強度は)車の出入りを前提に舗装していた。原因は特定できていないが、工法の変更などを検討したい」と説明。龍潭通り周辺の住民と検討を重ね、石畳を採用した経緯があるとし「再度、住民説明会などで意見を聴きながら、アスファルトに変えるかなど今後の対応を決めたい」とした。

 石畳の歩道は、県の「龍潭線」(約1・2キロ)整備事業の一環で2010年度から始まり、現在は山川交差点から当蔵周辺まで整備が進んでいる。龍潭通りは那覇市の都市景観形成地域に指定され、歩道は石畳、建物は赤瓦屋根使用など27項目の基準が定められている。