2017年(平成29年) 12月15日

タイムス×クロス コラム

琉球ゴールデンキングスの新たなる挑戦
「沖縄の宝」がBリーグの頂点を目指す日々。 (2)

渡瀬 夏彦
渡瀬 夏彦(わたせ なつひこ)
ノンフィクションライター

1959年埼玉県生まれ。高校3年のときに「与那国島サトウキビ刈り援農隊」に参加して以来、約28年間沖縄通いを続け、2006年に移住。『銀の夢 オグリキャップに賭けた人々』で講談社ノンフィクション賞とJRA馬事文化賞を受賞。他の著書に『修羅の華 辰吉丈一郎がゆく』(講談社)、共著書に『誰が日本を支配するのか!? 沖縄と国家統合』(マガジンハウス)など。普天間問題からスポーツ(琉球ゴールデンキングス、琉球コラソン、FC琉球、高校野球、ボクシング等)まで、幅広いジャンルで雑誌、新聞等にドキュメントやコラムを執筆。関心は、脱基地、脱原発から、沖縄文化、自然、芸術・芸能・音楽、スポーツまで多岐にわたり、Facebook、Twitterやブログ「渡瀬夏彦の沖縄チムワサワサ~日記」(http://watanatsu.ti-da.net/)でも情報発信。現在、沖縄を舞台にした複数のノンフィクション作品を構想中。「沖縄戦・精神保健研究会」会員。

シーホース三河の狩俣昌也(撮影:沖縄タイムス)


◆完敗の土曜日、元キングスのシーホース狩俣が大活躍

 10月8日、3000人を超えるファンが詰めかけた沖縄市体育館には、期待と不安の入り混じった緊張感が漂っていた。

 琉球キングスは前週(10月1日、2日)、旧bjリーグで度々戦ってきた相手・滋賀レイクスターズに連勝して勝敗を五分(2勝2敗)に戻し、クラブもファンもひとまず安堵したわけだが、いよいよ旧NBLの強豪を初めてホームに迎えてのゲーム開催となったのだ。

 対戦相手は、シーホース三河(愛知)。

 開幕ゲームで連敗を喫した相手、旧NBLのアルバルク東京と同じく、日本代表選手を3人(橋本竜馬、比江島慎、金丸晃輔)抱え、Bリーグ初代王者候補とも言われるチームだ。

 三河のメンバー表には、懐かしい名前もあった。伊佐勉がヘッドコーチに就任した2013-14シーズン、キングスに所属して優勝に貢献した狩俣昌也(宮古島市出身、興南高校-国際武道大)である。

 当時のキングスでは岸本隆一、並里成の2人のポイントガードの陰でベンチを温める時間が長かった狩俣だが、翌14-15シーズンからbj新規参入の福島ファイヤーボンズに移籍。彼はここで、チームを引っ張る司令塔兼得点源として持てる才能を開花させた。その大活躍のおかげというべきだろう、狩俣には新リーグを代表する強豪チーム・シーホース三河から声がかかり、開幕早々古巣キングスと沖縄で対決するという檜舞台を迎えることになったのだ。

 選手紹介のMCの声が狩俣の名を告げると、会場のキングス・ファンは惜しみない拍手と歓声を送った。キングスに貢献した選手が対戦チームの一員としてホームに帰ってくるたび、いつでもこのように盛り上がる。これはもう「良き伝統」とさえ呼びたくなるキングス・ホームゲームの光景だ。

 狩俣自身も、試合後の記者会見で「久しぶりの沖縄でのゲームをすごく楽しみにしてたんですが、あのときの声援が本当に温かくて、沖縄のファンの皆さんにはとても感謝しています」と述べることになる。

 その狩俣が、土曜の試合でいきなり弾けた。

 トータル20分間出場のうち、4Qでの6分あまりのプレーのなかで、3ポイント2本、2ポイント2本の10得点と存在感を示したのである。

 しかも、前半苦戦を強いられたキングスが3Qで追い上げ、4Q開始間もなくスチールからの速攻で岸本がレイアップを決め、60対60と追いつき、さぁ試合終盤の展開はどうなるか、という4Q後半の勝負どころ。

 試合終了まで残り4分から1分強の3分足らずの時間で、なんと4連続ゴール(2P→2P→3P→3P)の駄目押しを決めたのが、狩俣だったのである。そのシュート精度は、敵ながらあっぱれというほかなかった。

 終わってみれば、69-89で、キングスの完敗だった。

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