10月7日、日弁連が「死刑制度の廃止を含む刑罰制度全体の改革を求める宣言」を採択した。宣言では、拘禁刑の代替手段として、社会奉仕活動や薬物治療を義務付ける制度の導入や、出所後の再就職・定住の援助、社会保障の充実の提案などとともに「2020年までに死刑制度の廃止を目指す」という。

 受刑者の人権の観点からすれば、死刑制度には問題がある。人権の理念は、全ての人を個人として尊重せよという。他方、死刑制度は、特定の人を死すべき存在として扱う。人権の理念と死刑制度とは相反するから、人権の擁護者でもある弁護士会が、死刑廃止を目指すのには、十分な理由がある。

 一般に、死刑制度の果たす機能として(1)重大犯罪の抑止(2)社会の応報感情の満足(3)被害者の感情への配慮-の三つが指摘されている。

 このうち、(1)犯罪抑止は、終身拘禁刑などで代替できるとの統計データがある。また、(2)犯罪と無関係な一般人の感情的満足のために、人を殺すことが正当化されるとの議論に、説得力を感じる人は多くないだろう。

 となると、死刑の最も重要な機能は、(3)被害者の感情のケアだということになる。これが十分でなければ、死刑廃止の訴えは共感を得られない。

 では、日本の被害者支援の現状はどうだろうか。