沖縄クレサラ・貧困被害をなくす会は15日、第15回交流集会を那覇市内で開いた。登壇者らは沖縄の貧困の背景に、高率補助目当ての公共事業に偏重した予算配分や全国一高い非正規労働者の割合などの構造的問題があると指摘。貧困は子どもの権利保障に関わる課題だとして、自己責任でなく、社会全体で子どもの育ちを支える必要性を強調した。

沖縄の子どもの貧困と地域社会の責任を話し合う登壇者=15日、那覇市職員厚生会厚生会館

 琉球大学の島袋純教授は復帰後の国による「箱もの」偏重の沖縄振興策が、貧困問題や子どもへの予算配分を減らす要因をつくってきたと説明。なくす会の安里長従事務局次長は社会構造の転換を訴え、「沖縄の自己決定権で、地域社会の再生を図るべきだ」と語った。

 県子ども総合研究所の堀川愛所長は、内閣府予算などで進む各地の子どもの居場所づくりについて「本来は、単年度の限られた予算で子ども支援をすべきではない。短期間で終われば子どもの心にともった希望を絶望に変えてしまう。小さな取り組みでも、長く継続する必要がある」と話した。

 集会に合わせて実施した県内市町村アンケートの結果も公表された。宮古島市、粟国村、伊平屋村、北大東村を除く37市町村が回答。内閣府の全額補助による居場所づくりや支援員配置には多くの自治体が積極的に取り組む一方で、母子生活支援施設(母子寮)や病児保育の新設など、従来施策の拡充には消極的な姿勢が浮かび上がった。

 理由として「ニーズがない」「ファミリーサポートセンターで対応」などを挙げた市町村が多かった。

 しんぐるまざあず・ふぉーらむ沖縄の秋吉晴子代表は「非正規で働く母親たちにとって子どもが病気の時、どうするかが大問題。ファミサポは感染症だと利用できない。当事者の声を聞いていないのではないか」と疑問を投げ掛けた。

 さらに「現在は貧困世帯の支援が焦点だが、そこに陥るぎりぎりで生活する世帯も多い。沖縄では子どもにかかる費用はすべて無償というくらいの施策を打ってほしい」と求めた。