東日本大震災で被災し、岩手、宮城、福島の3県から避難してきた人に対する住宅無償提供などの支援が来年3月で終了する。沖縄に住み続けるのか、それとも地元に戻るのか。選択の時が迫る中、支援継続を巡って市民グループらの要請などの動きも活発化している。支援の現状や避難者の思いを探った。

県内の避難者数の推移

沖縄じゃんがら会会長の桜井野亜さん(右)。事務所では被災者同士が悩みを共有したり、打ち合わせできるスペースもある=11日、浦添市内間

原発事故避難者支援の継続・拡充などを求め、署名を県の担当者に提出する矢ヶ崎克馬さん(左)=9月15日、県庁

県内の避難者数の推移 沖縄じゃんがら会会長の桜井野亜さん(右)。事務所では被災者同士が悩みを共有したり、打ち合わせできるスペースもある=11日、浦添市内間 原発事故避難者支援の継続・拡充などを求め、署名を県の担当者に提出する矢ヶ崎克馬さん(左)=9月15日、県庁

■被災者住宅提供 来年3月終了 沖縄県は帰還支援強化へ

 県は災害救助法に基づいて実施してきた、被災県からの避難者に住宅を無償で貸し出す支援を来年3月で終了する。商業施設などで割引サービスが受けられる「ニライカナイカード」の打ち切りも決めた。今後は福島県の意向に沿うかたちで、県も避難者の帰還や生活再建に向けた支援策に比重を移す。

 東日本大震災の影響による被災県から沖縄への避難者数は、ピーク時(2013年2月)の1062人から減りつつある。ことし9月時点では611人が県内で暮らす。内訳は福島県が最多で426人。宮城県94人、岩手県3人、千葉県などその他で88人。

 県は震災直後の11年3月、県内の行政や民間団体、企業などで「東日本大震災支援協力会議(県民会議)」を設立。現在、188団体が参加している。県民会議は11年6月から、被災者がスーパーや公共交通機関などで割引サービスが受けられる「ニライカナイカード」を発行し、生活を支援してきた。当初は12年度までだった期限を延長し、16年度は253世帯、601人に発行している。だが17年3月で住宅の無償提供が終了するのに伴い、カードの発行も終了すると決めた。

 県は「これまで、企業の厚意でカードの利用を継続することができた」と経緯を説明。終了後は利用頻度の高いスーパーなどで使える商品券の提供などを検討しているが、具体的な今後の支援策は模索中だ。これからは帰還支援の強化に重点を置く。これまで実施してきた、地元や県外で新たに生活を始める被災者への航空運賃費用(4万円)の支援に加え、避難者の住居の移転費用(1世帯5万円)や生活準備のための一時帰宅金(4万円)を支給する。

 ただ、故郷へ戻ることに不安を抱く避難者は多い。県は「長期的な視野としては、県民向けの生活困窮者への支援策などもある。生活に苦しんでいる避難者へ情報提供を続けていきたい」との考えを示している。(政経部・大城志織)