沖縄県米軍北部訓練場のヘリパッド建設反対を訴える市民運動のリーダーが器物損壊の容疑で現行犯逮捕された。「何かの腹いせか」「違法行為をしているのは防衛局の方だ」。沖縄平和運動センターの山城博治議長(64)が警察車両に乗り込むまでの14分間、怒号が飛び交う中、市民と機動隊が入り乱れ、現場は騒然とした。

米軍北部訓練場から出てきた市民を拘束しようとする機動隊員ら=17日、東村高江・N1地区表ゲート付近

 午後4時19分、基地内に進入した市民約10人が、県道70号沿いの急斜面を滑るように降りてきた。待ち構えていた機動隊員が勢いよく坂を駆け上がり、山城議長の肩を捕まえた。

 基地内に入った女性はその時の様子について「急な斜面から引きずり降ろし、山城議長から私たち市民を引き離していった。機動隊員の数があまりにも多く怖かった」と振り返る。

 ある男性市民も「仲間を呼ぼうとしたが、携帯電話がつながらなかった。もっと人数がいたら守れたのではないかと思う」とぎゅっと目をつぶった。

 伏線はあった。山城議長らはN1地区表ゲート入り口での抗議行動を終え、午後3時18分に市民約20人と基地内に進入。「搬入された砂利の利用法をチェックすること」が目的だった。

 N1地区の工事用道路に面した作業ヤード(砂利の集積場)付近で抗議行動をした際、「ガンバロー三唱をしようとしたら、背後のフェンスを開けて機動隊員が出てきた。もみくちゃになりながらも山城議長を取り返した」(市民)という。その際、「有刺鉄線2本を切った」として、複数の警察官が山城議長に確認を取っていたという。

 「連れて行かないで」。午後4時33分。山城議長が乗った車両を走って追いかけた女性市民の声が辺りに響いた。