「1票の格差」が最大3・08倍だった7月の参院選は憲法違反だとして、県内の弁護士が県選挙管理委員会に選挙無効を訴えた訴訟で、福岡高裁那覇支部(多見谷寿郎裁判長)は20日、原告の請求を棄却して「合憲」とする判決を言い渡した。原告側は即日最高裁に上告した。

判決を受け、福岡高裁那覇支部前で「保身判決」と書かれた紙を掲げる原告側の弁護士=20日午後

 判決を受け、原告で沖縄弁護士会の齋藤祐介弁護士は「矛盾が多く、理解に苦しむ判決だ。投票価値が3倍も開いた選挙で選ばれた政府に正当性があるのか」と批判した。県選管の当山尚幸委員長は「こちらの主張が受け入れられた。今後とも選挙の適正な執行に努めたい」とコメントした。

 今回の参院選では、選挙区を統合する合区を初めて導入した。定数も「10増10減」した結果、格差は4・77倍から縮小。訴訟ではこれらの議員定数配分の合憲性などが争われた。

 判決で多見谷裁判長は、合区によって「長期にわたり5倍前後の大きな格差が継続していた状態が解消された」と評価。今回の格差について「問題が生じるほど著しい不平等状態にあったとはいえない」と判断した。

 一方で「参議院は憲法上、3年ごとの半数改選が規定されており、投票価値の平等は衆議院と同程度のものが要請されているとは考えにくい」とも指摘した。

 弁護士グループが全国14の高裁・高裁支部に起こした訴訟の一つで、高裁那覇支部を含め、これまで「合憲」4件、「違憲状態」5件の判決が出た。一審判決は11月中に出そろい、最高裁が統一した司法判断を下す。

 総務省の選挙関連資料によると、2015年の「1票の価値」は福井県を1票に対して沖縄県は0・58票。最高裁は14年の判決で13年選挙を「違憲状態」と判断。都道府県を選挙区の単位とする制度を抜本的に改正するよう求めていた。