ボリウッド作品製作のためにインドを訪れた映画音楽作曲家のアントワーヌは大使館のレセプションでフランス大使の妻アンナと出会う。夫の愛を一身に受けるアンナは、朗らかで魅力あふれる女性。インドへの長期出張を前に、美しい恋人アリスに結婚を迫られたアントワーヌ。そんな矢先に出会ったアンナ相手にいけない欲望を抱き始める。

「アンナとアントワーヌ 愛の前奏曲」から

 暮らしは安定し、お互いにパートナーがいる幸せな中年男女が何不自由のない暮らしをしていても、趣味嗜好(しこう)が違っても、ひかれ合う。

 ついにアラフォーと呼ばれる年に差し掛かり、20代の頃のように胸がときめくことが皆無になったな、と思っていた直後、アントワーヌは軽くさらりと言い放つ。「僕は恋することに恋してるんだ」と。重苦しくない中年男女の恋愛模様が心地よいドラマ。(桜坂劇場・下地久美子)

◇桜坂劇場で公開中