プロ野球のドラフト会議が20日、東京都内で開かれ、県勢では九州産業大学の高良一輝投手(興南高出)が日本ハムから3位指名された。創価大の本格派右腕、田中正義投手をめぐって広島、巨人、日本ハム、ソフトバンク、ロッテの5球団が1位指名で競合し、ソフトバンクが抽選に勝って交渉権を獲得した。

日本ハムから3位指名を受け、肩車で祝福される九産大の高良一輝=福岡市の同大(我喜屋あかね撮影)

「大谷に近づきたい」

 けがにめげず、ひたむきに前を向き続けた右腕が、幼い頃からの夢をつかんだ。九州産業大の高良一輝が日本ハムから3位指名を受け、プロへの道を切り開いた。

 指名を受けて会見場に現れた高良は、緊張からか少し硬い表情を浮かべながらも「きょうまで指名をしてもらえるか不安もあったので素直にうれしい。まずは両親に感謝を伝えたい」と喜びをかみしめた。

 プロ指名までの道のりは決して平たんではなかった。興南高1年時からメンバー入りして夏の甲子園優勝を経験。だが、エースナンバーを背負った高校3年の夏の県大会では2回戦に登板できず、敗戦をベンチから見つめた。

 「大学でこそやってやる」。入学後はウエートトレーニングを積み、体重が7キロ増加して球速も増した。1年生の13年春からリーグ戦に出場し、15年秋まで33試合に登板して16勝1敗。順風満帆に思えた野球生活だったが、ことし3月、突然のけがが高良を襲った。

 ソフトバンク3軍との試合で右足内転筋を負傷した。走り込みや投球練習もできず、春のリーグ戦を見送った。「初めての大きなけがで焦りもあったが、秋のリーグ戦でしっかりアピールしようと思った」。肩周りの筋肉を強化するなど実直にトレーニングを重ね、復活登板した秋のリーグ戦の福岡工業戦では5回を投げて無失点。球速も自身最速の148キロを更新した。

 制球もよく、キレのある直球が武器だ。大久保哲也監督は「ストレートが伸び、初速と終速の差もあまりない」と評する。日ハムには同学年の大谷翔平が在籍する。「まずは1年目から活躍し、球速150キロを目指したい。少しでも大谷選手に近づければ」と夢の舞台へ向け思いをはせた。(我喜屋あかね)

■努力した結果

 興南高の我喜屋優監督 本人のプロへの夢がかなって本当によかった。高校生の時から甲子園に出てもおかしくない投手だった。派手さはないが、努力家でひたむきに野球に取り組んできた結果だ。本人もよく分かっていると思うが、活躍できるようになってからが本当のプロ選手。新たなステージでも頑張ってほしい。

 高良 一輝(たから・かずき) 1994年6月25日生まれ。豊見城市出身。興南高1年時にベンチ入りし、夏の甲子園優勝を経験。九産大では1年生の春からリーグ戦に出場し、2014年の九州選手権決勝では無安打無得点試合を達成。15年春にはリーグMVPに選ばれた。右投げ右打ち。177センチ、77キロ。