沖縄市内で、外国人が運転するレンタカーと、沖縄県内在住の夫妻が乗る乗用車との衝突事故が発生し、けがをした夫妻が後日、人身事故届け出のために沖縄署に提出しようとした診断書が、外国人が帰国して不在であることを理由に受理されなかった。

沖縄警察署

沖縄県内の人身事故発生件数と自賠責保険受付件数の推移

沖縄警察署 沖縄県内の人身事故発生件数と自賠責保険受付件数の推移

 観光客の増加に伴いレンタカー事故も増加傾向にあり、当事者が県内におらず、必要な実況見分が困難という点では、本土の観光客も同じ。人身事故の場合、物損事故と比べ警察側の事務処理作業が増えるため、警察側に「できれば人身事故扱いにしたくないとの空気があるのでは」との指摘もある。(学芸部・座安あきの、社会部・新崎哲史)

■人身事故、受理が筋 「軽微でも届け出を」

 道路交通法で、交通事故は物損、人身のいずれも事故当事者に警察への届け出が義務づけられている。

 今回、沖縄署から人身事故の届け出を断られた運転者の女性は、レンタカーの保険会社にけがを報告した際、担当者が「相手が外国人の場合、警察が診断書を受理しないこともある」と話していたと言い、「やはりそうなのかと落胆した」と振り返る。

 簡単な報告書作成で済む物損事故に比べ、人身事故の場合は警察が当事者双方の立ち会いの下、詳しい捜査が必要で、検察に送検する書類の作成を含め業務量が増す。

 高良祐之(ゆうじ)弁護士は「組織的にではなくても、事故を起こした相手が不在の場合、できれば人身事故扱いにしたくない、という空気が警察内に出てくる可能性はある」とみる。

 今回の警察の対応について「もし警察の都合によって、事実とは異なる方向で処理されることがあれば本末転倒。診断書があるのなら、相手が不在でも事実に沿った対応を取るのが本来の姿」と指摘。事故件数の増加で警察の業務負担が増し、人身事故受け付けが滞るケースが増えるなら「事務処理の手続きを統一的に見直す必要があるのではないか」と話した。