集団演武でギネス新記録樹立を目指す「空手の日記念演武祭」参加者の中には、海外から訪れた空手愛好家もいる。ブラジルの県系2世、仲地松輝さん(77)もその一人。「沖縄で空手ができるのは、この上ない幸せ。思い切って挑戦したい」と意気込んでいる。

約1カ月前にブラジルから沖縄入りし、形の練習に励む仲地松輝さん=那覇市国場・沖縄小林流空手道協会、志道館本部道場

 仲地さんが空手と出合ったのは10歳のころ。出稼ぎでブラジルに渡った本部町出身の亡き父、利徳さんから手ほどきを受けた。

 当時は「戦争に負けたのだから日本へ帰れ」と暴力を振るわれることもあった。父から「首里手」を教えてもらったが「けんかに使うな。受けるだけで相手も痛い。辛抱しなさい」と強く言われた。言葉通り、相手の攻撃を受け止めるだけで暴力はやんだ。

 護身術にとどまらない空手の「哲学」に魅せられ、ブラジル小林流空手道連盟会長を務めた故・新里善秀さんに師事。2000年には念願の道場を開き、弟子たちに「沖縄は地球儀では小さな島。でも沖縄で生まれた空手は世界中に広がっている」と語り掛ける。

 空手道教士7段、古武道2段。77歳になった今も、空手に対する探究心は増し、「本場で学びたい」と1カ月前から那覇市内の民宿に泊まり、道場に通う。演武祭では「沖縄の空手家たちと心を一つにしたい。俺はブラジル生まれだけど、100パーセントウチナーンチュ」と思いを熱くした。