若い県系人の中に、沖縄の心と伝統文化が息づいている。

 海外9カ国2地域から「世界若者ウチナーンチュ大会」に集まった参加者に接し、意を強くした。

 若者大会は5年前の世界のウチナーンチュ大会を機に企画され、5回目を数える。沖縄初開催となった今回は「ウチナーネットワークの強化」と「地域活性化」を目的にしている。

 20日、西原町であったオープニングセレモニーで、ボリビア出身の3世、イノウエ・カルロス昭雄さんは「ウチナーに帰ってくる日をずっと楽しみにしていた」とうれしそうに語った。ブラジル出身の3世、松本カリナ沙登美さんは「自分のルーツをたどり、たくさんの仲間をつくり、ふるさと沖縄を存分に感じたい」と期待を口にした。

 海外の若者の中には、大会で初めて沖縄を訪れたという人もいる。

 初めてにもかかわらず空港や会場で「お帰りなさい」と声を掛けられ、ルーツを実感し感激したという。ウチナーンチュとしてのアイデンティティーを確認し、家族の絆を見つめることも旅の目的の一つだ。

 印象に残るのは、参加者の多くが「故郷で三線を教えている」「空手を習っている」「エイサーがさかん」「しまくとぅばに興味がある」など沖縄文化や芸能への関心を語ったことである。

 国や育った環境は違っても、一緒に歌って踊って、すぐにうち解けるのは、共通の文化によるものだろう。

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 県民の海外移民の歴史は100年以上も前にさかのぼる。

 若者たちの祖父母や曽祖父母らにあたる移民1世たちは、過酷な労働に耐え、苦労を重ねながら、異国の地で今の沖縄コミュニティーを築いてきた。

 その苦しかった時代、心の支えとしてきたのが沖縄の文化や芸能である。仕事の合間に三線を弾き、集まっては歌い、互いに励まし合ってきたのだ。

 アイデンティティーの基盤である文化や芸能は、県系社会で親から子へ、子から孫へと受け継がれている。

 若者大会参加者の多くが実際に三線や空手などを教わった経験をもっていた。県系社会ではそれが人々をつなぐ役目も果たしているのだ。

 沖縄に住んでいると価値に気付きにくいが、文化には人々を結びつける力がある。 ■    ■

 若者大会はきょう23日最終日を迎える。

 第6回世界のウチナーンチュ大会期間中の29日には「世界若者ウチナーンチュサミット」が開かれ、国境を越えたネットワークについて議論する。 

 国際関係や国際交流で底力を発揮するのは、人的ネットワークである。

 海外の若者と知り合うことで県内の若者も沖縄を再発見し、外へ目を向けるきっかけとなるはずだ。

 沖縄の未来を切り開く希望となる、若者たちのネットワークづくりが進むことを期待したい。