沖縄国際大で開かれていた「第33回日本環境会議沖縄大会」は23日、大会宣言を採択して閉幕した。

 大会宣言では「米軍基地の集中と自衛隊配備による軍事要塞(ようさい)化、人権の侵害、自治、民主主義の不在は、『土人』発言に象徴されるように、琉球処分以来の歴史的な構造的差別」と指摘した上で、沖縄の民意を尊重して辺野古新基地建設、高江ヘリパッド建設を直ちに中止するよう政府に求めた。

 ヘリパッド建設や辺野古新基地建設が正念場を迎えるこの時期に、公害や環境問題に取り組んできた全国各地の研究者や弁護士、ジャーナリストらが一堂に会し、沖縄大会が開催された意義は大きい。

 注目したいのは、全体会で同会議名誉理事長の宮本憲一大阪市立大名誉教授が沖縄県が条例で「環境権」を制定すべきだと提言したことだ。

 宮本氏の説明によると、埋め立てのような環境破壊は不可逆的で絶対的損失を招く。このため予防が最高の環境政策である。環境影響評価(アセスメント)で不可逆的損失が予測されれば、予防の原則によって工事の差し止めが認められなければならない。この法理が環境権である。

 日本では司法の場で環境権が認められていない。宮本氏は憲法改正ではなく、環境基本法を改正するか、フランスのように環境憲章をつくって規制力のある法制にすべきだと強調。沖縄県に対しては条例を制定するよう提言した。

 重要な指摘である。環境権をどう確立するのか、県や県議会での議論を促したい。

■    ■

 沖縄大会は3日間にわたり、六つの特別・基調講演で構成する全体会と、若者主体を含め六つの分科会で活発な議論を交わした。

 第1分科会「環境・平和・自治・人権についての辺野古・高江の問い」では、日本自然保護協会の安部真理子自然保護室主任が辺野古・大浦湾の豊かな生物多様性を紹介。今後も新種などが発見される可能性が高いとの専門家の見方を示した。

 埋め立てのために調達される膨大な土砂は西日本の6県7カ所に及ぶが、すでに9種の特定外来生物が発見されている。条例は審査期間が短く罰則もない。条例に効力を持たせるためには早急な改正が必要だ。

 日本鱗(りん)翅(し)学会会員の宮城秋乃さんはヘリパッド建設が自然環境に与える影響を自身が撮影したビデオを流しながら報告。森林破壊によって動植物の生命が失われ、オスプレイの飛行訓練がノグチゲラに与える影響を実証した。

■    ■

 全体会では沖縄側からヘリパッド建設や辺野古新基地建設を「沖縄戦以来、70年を越える日米沖関係の総括点だ。そのことを日本(ヤマト)の人たちが、どれだけ当事者意識を持ってとらえているかが、いま、問われている」(新崎暉盛沖縄大名誉教授)と位置付けた。

 「高江や辺野古が阻止できれば日本が変わる。止められなければ、沖縄だけでなく、日本の未来もなくなる」とも。高江も辺野古も日本の行方を占う問題なのである。