「南方写真師」の垂見健吾さん(68)が30年かけて撮りためたポートレートをまとめた写真集「琉球人の肖像」(スイッチ・パブリッシング)を24日に発刊する。1985年から今年まで30年余にわたり撮影した約180人の中から、142人を掲載している。垂見さんは「人と文化が混じり合っているウチナーンチュたちのさまざまなポートレートをまとめられてよかった」と話した。

初の写真集を出版した垂見健吾さん=那覇市・沖縄タイムス社

 那覇市に移り住み、30年近くになる垂見さんは作家の池澤夏樹さんや椎名誠さんらとの共著が多いが、個人として出版する写真集は実は初めて。「僕は芸術的な写真家というより、JTAの機内誌などの取材依頼を受けて撮影にいく写真屋。初めて自分で撮りたいものを撮ってまとめることができた」と話す。

 写真集は2部構成。1部はモノクロで1985~93年に沖縄各地で撮影した105人から故照屋林助さんや故嘉手苅林昌さんら67人を選んだ。93年には那覇市と東京・渋谷区で展覧会も開いた。

 2部は新作。「新琉球人の肖像」とくくり、2008年から海外移民などさまざまな人種が交じり合うウチナーンチュをカラーで撮影した。撮影場所もハワイや米本土、台湾、タイ、パラオに及ぶ。

 「450年続いた琉球王国は貿易立国でさまざまな人が交じり合うアジマー(十字路)。濃い顔だけがウチナーンチュだけでなく、いろんな顔の人がいる。交じり合い、個人を互いにリスペクトし理解し合うことで、差別的な発言やいがみ合いが少なくなる。そういうウチナーンチュたちを写したかった」と話す。

 写真集発刊に合わせ、世界のウチナーンチュ大会の連携事業として写真展を開く。26日から沖縄市久保田のプラザハウス内ライカム・アンソロポロジーで「琉球人の肖像」展、27日から那覇市久茂地のタイムスビル1階で「新琉球人の肖像」展を開く。

 また28日は午後7時から、ジュンク堂書店那覇店で雑誌「スイッチ」「コヨーテ」編集長の新井敏記氏とトークイベントを行う。