沖縄防衛局が名護市辺野古沿岸海域に大型コンクリートブロックを投下した2015年1月以降、大浦湾で国の天然記念物「ジュゴン」の姿を確認していなかったことが24日までに分かった。フロート(浮具)やアンカー(重り)が設置された14年8月から辺野古崎北側でジュゴンの新たな食み跡も確認しておらず、自然保護団体は新基地建設に向けた作業や警戒船の影響を指摘した。

古宇利島沖を移動するジュゴンの個体C(上)、個体B。2015年1月のブロック投下以降、大浦湾では確認されていない=年5月15日(防衛局報告書)

 日本自然保護協会の安部真理子主任、調査団体OEJPの吉川秀樹代表が、赤嶺政賢衆院議員(共産)を通して入手した防衛局の「シュワブ(H26)水域生物等調査報告書」で明らかになった。報告書は16年3月付と記載されているが、防衛局は公表していない。

 報告書によると、防衛局は15年に航空調査した20日間のうち古宇利島、嘉陽の両海域でジュゴンを18回(述べ21頭)を確認。14年は追跡調査で個体Cを中心に大浦湾周辺(安部崎より西側)に移動する様子が2回確認されたが、15年は一度も確認されなかった。

 辺野古崎北側の新たな食み跡も、フロートやブイが設置された14年8月から15年の調査終了まで一カ所もなかった。設置直前の14年4~7月には述べ77本が確認されていた。

 安部主任は「ジュゴンは音に敏感。これまで個体Cは辺野古崎周辺や大浦湾を利用してきたが、工事に伴う作業音で近寄れなくなっているのではないか」と話した。埋め立てを巡る代執行訴訟で県と国が和解した16年3月以降、防衛局はジュゴンの調査を中断している。(社会部・篠原知恵、知花徳和)