3年前の文化庁の国語世論調査で、1カ月に1冊も本を「読まない」と答えた人は約5割。以前と比べて「読書量は減っている」との回答も6割を超え、読書離れの実態がはっきりした

▼一方で、日本語の大切さや敬語が重視されるデータもある。2015年度の同じ調査では「日本語を大切にしている」の回答は8割弱で、過去の調査より増加。敬語についても6割を超える人が「伝統的な美しい日本語として、豊かな表現が大切にされるべきだ」と答えた

▼ただ、少々耳の痛い結果も。感動や共鳴を与えること、という意味の慣用句「琴線に触れる」を「怒りを買ってしまう」と誤用する割合は3割、「確信犯」も本来の意味で使う人は少なかった

▼言葉や言葉の使い方に大きな影響を与えるのはスマートフォンを含む携帯電話が多く、本や雑誌、新聞などが減ったという結果も関係しているだろうか

▼言葉の意味は辞書で引けばすぐ分かるが、こうした慣用句は本にたっぷり詰まっている。単純に意味だけではなく、ニュアンスや使い方を学べる教科書にもなる

▼書物の未来と向き合うエッセーをまとめた「本は、これから」の編者・池澤夏樹さんは「本は人生の里程標となる」と述べている。27日から始まる読書週間の標語は「いざ、読書。」。言葉と自分探しの旅に出掛けてみよう。(赤嶺由紀子)