【ジョン・ミッチェル特約通信員】米軍普天間飛行場の環境事故対処ハンドブックが、「緊急でないか、政治的に注意を要する事故」は日本側に通報しないよう構成員に命じていることが、25日までに分かった。本紙が情報公開請求でハンドブックを入手した。

普天間飛行場の2013年版環境事故対処ハンドブックの一部。日本側に通報を「しない(WILL NOT)」という部分が大文字で強調されている(赤線は本紙で入れました)

 ハンドブックには2013年版と15年版がある。13年版は通報「しない」と意味する部分が大文字で「WILL NOT」と書かれ、強調されている。

 ハンドブックの記述によると、基地外の住民や環境に影響する緊急事態だとみなされた場合だけ日本側への通報が許される。逆にそれ以外の事故を通報するかどうかは、各基地の環境担当者の裁量に任される。

 普天間飛行場では05年から16年の間に少なくとも156件の流出事故が発生、うち4件しか通報されていなかったことが分かっている。ハンドブックの指示が影響した可能性がある。

 普天間から基地外への流出は頻発している。07年には189リットルの消火剤が小川や洞窟に流れ込んだ。08年から13年の間にも、小規模ながら冷却液、航空機燃料、作動油が流れ出している。

 通報が正確でない事例もあった。ことし6月に航空機燃料6908リットルが流出した際、海兵隊は日本側にバルブの誤調整が原因だったと報告。しかし、内部の事故報告書は人為的ミスだったことを示唆していた。

 この事故の通報で、海兵隊は「即座に」対処したと強調。しかし、内部文書によると事故が完全に収束したのは翌日だった。影響は深刻で、後日3028リットルの汚染水と208リットルドラム缶11本分の汚染土を廃棄することになったという。