世界のウチナーンチュ大会に参加するため来沖したハワイの沖縄県系3世、4世でつくる琉球芸能団「御冠船歌舞団」のメンバーらが25日、世界遺産「玉陵」を訪れ、琉球舞踊を奉納した。この日はハワイ語復興に取り組む県系人も参加。聖地に入る際の現地の伝統にならいチャント(儀式の詠唱)も披露された。県系4世で同団の芸術監督エリック・和多さん(50)は「ハワイと琉球、二つの王国に敬意を示せた」と話した。

琉球舞踊を奉納する御冠船歌舞団の県系人ら=25日、那覇市の玉陵

ケイキ・カヴァエアエアさん=25日、那覇市の玉陵

琉球舞踊を奉納する御冠船歌舞団の県系人ら=25日、那覇市の玉陵 ケイキ・カヴァエアエアさん=25日、那覇市の玉陵

 「御冠船歌舞団」は毎年、県系人をつれて沖縄の歴史や文化を学ぶスタディーツアーを実施しており、期間中には第二尚氏歴代の墓陵「玉陵」を含めた史跡などを巡りルーツを学んでいる。参列した県系3世デービッド・宮城さん(60)は「祖先が生まれた場所はやはり特別。ふるさとに帰ってきたようだ」と感慨深げに話した。

 同団は26日の前夜祭パレードに参加。大会期間中は琉球芸能公演や、しまくとぅばの保存継承に関するシンポジウムなどにも参加する。

■子に祖先の言葉残したい ケイキ・カヴァエアエアさん(県系3世)ハワイ大ハワイ語学部長

 「御冠船歌舞団」のメンバーとともに25日、「玉陵」でハワイ語のチャントを披露したのはハワイ語復興に取り組む県系人女性だ。県系3世でハワイ大学ヒロ校ハワイ語学部の学部長ケイキ・カヴァエアエアさん(59)は、ハワイ語で教育する幼稚園を先駆的に立ち上げたメンバーの一人。現在もハワイ語教師の育成に取り組んでいる。

 ハワイ語は同州の公用語。公立学校で教えられているほか、大学院でも研究が進むなど言語復興の先進地として知られる。ケイキさん自身もハワイ先住民の血を引き「子供たちのために祖先の言葉を残してあげたい。それは私たちの責任でもある」とハワイ語普及に取り組んできた。

 一方で「玉陵」では具志川出身という祖父母の写真を首から下げて訪問。沖縄のルーツも忘れたことはない。「米国に併合され、90年間もハワイ語が禁止された歴史がある。沖縄も似た経験があるでしょう」

 那覇市の自治会館で26日、学校現場における言語復興を考えるシンポジウムに登壇する。ハワイでの実践を伝え、自らのルーツにも関わるしまくとぅば保存に少しでも役立ててくれたら、と願っている。