フランスの小説家ロマン・ロランが残した言葉にある。「恋は決闘である。もし右を見たり左を見たりしていたら敗北である」

▼内閣府が実施した国際意識調査で、日本人は「決闘」が苦手との結果が出た。恋愛について「相手からアプローチがあれば考える」が3割強で、「自分からアプローチする」の2割を上回った。欧州3カ国はいずれも「自分から」が多かった(本紙18日付)

▼少子化対策のヒントを得ようと、20~49歳の男女約2900人に面接調査したという。政府が税金を使って恋愛調査をする「恋に受け身」な国柄ゆえだろうか、古い書物からも恋愛成就のノウハウが学べる

▼「巌流島の決闘」で知られる剣豪、宮本武蔵の「五輪書」には「(相手が)自分の刀が届く間合いに入ったら、ただ剣を振り下ろすのみ」とある。余計な駆け引きは無用。まずは相手の懐に飛び込めということだろう

▼また、武蔵の兵法書「十智」では、「恋をしたら恋文は書くな、恋歌を詠むな。ひたすら金銭をためよ」と説く。結婚に備えた貯金のススメである

▼色恋の季節は遠い昔の身ながら、家庭ではかつての「決闘」相手とささいなことで「真剣」勝負になることもままある。泉下の剣豪からは「情けない」と一喝されそうだが、毎回、必殺自己流戦法「負けるが勝ち」で臨む。(稲嶺幸弘)