沖縄県名護市中山区の田仲康信さん・ツルさん夫妻は、共に1919(大正8)年生まれの97歳。24歳で結婚し、73年間連れ添ってきた仲良し夫婦だ。第13代区長を務めた康信さんは、公民館建設に力を尽くした。現在の27代の照屋康雄区長は「夫婦そろって元気で長命しているのは中山の誇りです」と話した。

「二人三脚で支え合ってきた」と話す(右から)田仲ツルさん、康信さん夫妻と、照屋区長=名護市中山

 本部町伊豆味出身のツルさんは、15~22歳まで和歌山や大阪の紡績で働き、家計を助けた。「縁あって24歳で結婚した」と話すツルさんは、「私が伊豆味から自転車に乗って中山に来たよ」と笑顔を浮かべる。

 翌年第1子が誕生したが、康信さんに赤紙(召集令状)が届いた。「石垣島に行った。米軍の上陸はなかったが、空襲ばかり。毎日、防空壕を掘った。八重山から中山に戻った時、マラリアがツルにも伝染し、申し訳なかった。何とか2年で治った」と振り返る。

 二人三脚で、パインやサトウキビで生計を立てた。康信さんが48歳で区長に就任すると、公民館建設が持ち上がった。「那覇に行った人も協力してくれた。高等弁務官資金で何とか公民館ができた」と語る。当時の瓦屋根の公民館は、現在は建て替えられた。

 「2人で一緒に頑張ってきた。ツルのおかげだよ。2人で生きる限りは生きるよ」と康信さんは握手を求め、ツルさんは照れながらも右手を差し伸べた。(玉城学通信員)