【小橋川慧通信員】紅葉が始まったカナダ・トロントのウエスト・ダウンタウンにあるトリニティー・ベルウッズ公園で1、2の両日、芸術の秋にふさわしく野外美術展示会が催され、沖縄在住のシーサー・アーティスト宮城光男さんも参加した。

トロントの野外美術展に参加したシーサー・アーティスト宮城光男さん=カナダ・トリニティー・ベルウッズ公園

 美術館などで開く個展と違い「絵画」「彫刻」「陶芸」「写真」「宝飾」「金属工芸」など広範囲の領域を代表する250人を超える芸術家と一緒に屋外で作品を展示する展示会への参加理由について、宮城さんは「初体験」への興味・好奇心を挙げた。

 宮城さんのブース中央には「シーサー顔面シリーズ」の最近作が飾られ、左右にはナイアガラの滝を背景にした絵などが掛け軸として展示されていた。作品運搬や後片付けはアーティストの責任でもあり、今回の展示作品は箱に詰めれば持ち運びも簡単な掛け軸を中心にしたという。

 エジプトのスフィンクスを元祖とした獅子像は、ヨーロッパ、中国を経て沖縄に入った時には貴族や王権の象徴だった。それが沖縄の文化と融合して「庶民の守り神」シーサーへと発展した。

 宮城さんは「チャンプルー文化のカナダにたどり着くと、さらにシーサー像がどう進化していくか興味がある」と話す。「展示会でシーサーを『ライオン』という人と『ドラゴン』という人が半々。カナダの素材を使うとうろこを持った新しいシーサーが生まれる可能性もある」と「シーサー哲学」の面白さを語る。

 産卵期でサケはトロント市内を流れる川を遡(そ)上(じょう)している。失敗を繰り返しながらも子孫を残すため必死にジャンプをして段差のある上流へと泳ぐサケの光景に宮城さんはひどく感動したという。沖縄での次の創作にはこの感動を反映させる、と話していた。