1899年に制定された「北海道旧土人保護法」は、アイヌ民族を旧土人として縛り、文化保護といいながら風習を禁止し、文化を破壊した。それは教育の中でも近年まで続き、差別を生んできた。この土人という言葉が復活するように琉球の人に向けられたことはショックだ。若い警察官の中に、人を見下す感覚があることが恐ろしい。

結城幸司さん

 こうした言葉が伝わる世界があるのだろう。今の世の中は言ってはいけないことを表面的に意識する一方で、タブーを緩くし悪意を育てるようなネットの社会がある。心を学ぶ力のない人の中には相手を見下し、さげすむ気持ちがあり、まひすると表面化する。

 差別があることを知る日本人は少ない。「アイヌを差別する時代はもう終わったでしょ」と言われることもある。しかし差別の種がまかれていることを私たちは自覚しないといけない。

 北海道の中学校でアイヌの人権の話をするが「うちの家族は代々かかわらないようにと言われているから、この授業は嫌です」と感想を書く生徒がいた。一生懸命話さないといけないことはまだあると感じる。自分たちに向けてくる差別と向き合い、子や孫の未来を守らないといけない。