米軍北部訓練場に隣接する「やんばる国立公園」の世界自然遺産登録を巡り、2013年以降に米軍とやりとりした文書の情報開示請求に対し、環境省が9月9日付で一切の不開示を決定していたことが31日、分かった。文書は非公開を前提に作られたもので、公にすれば他国等との信頼関係が損なわれる恐れがあることが理由。存在を特定した不開示文書名のリストや件数も明らかにしていない。

やんばるの森(資料写真)

 文書は8月、調査団体「インフォームド・パブリック・プロジェクト(IPP)」の河村雅美代表が請求した。同団体は「文書の存在を特定しながら、それを裏付けるものは何も示さず、市民への情報公開の観点から問題」とし、行政不服審査法に基づき環境大臣に審査請求する方針。

 同省の担当者は本紙の取材に「(米国との関係上)こういう形で出さざるを得ない。文書名のリストを出せば中身の分かる情報もあり、明確に示すのは難しい。件数は、問い合わせがなかったため出さなかった」とした。

 河村代表は「北部訓練場から生じる環境保全問題は県民の懸念事項であるにもかかわらず、このような姿勢で地元に説明責任を果たせるのか。今、情報を出さないということは、今後も出さないことを意味する」と問題視。「開示に消極的な姿勢は、世界自然遺産登録に向けた国立公園化が、高江ヘリパッド建設への地元融和策にすぎない表れではないか」と指摘した。

 環境省は9月15日、「琉球・奄美」の世界自然遺産登録に向け、北部訓練場に隣接する沖縄本島北部地域を「やんばる国立公園」に指定した。