東村高江のヘリパッド建設現場であった機動隊員による「土人」「シナ人」発言は、明治以降から続く沖縄蔑視観の系譜として捉えなければならない。

比屋根照夫さん

 「土人」の記述がある公式文書に、琉球処分官の松田道之が処分後に出した「沖縄県下士族一般に告諭す」という布告がある。

 政府の命令に従わない琉球人は「土人」であり、職業も権利も失う。だから、言うことを聞いて琉球処分への反抗をやめなさい、という趣旨の脅し文句がそこに記されている。

 今回の問題も構図は似ている。沖縄の人々が米軍基地建設にいくら抵抗しようが政府は強引に工事を進め、その果てに侮蔑的な発言が出てきた。

 安倍晋三首相は旧帝国憲法下のような国家主義的な志向が非常に強く、戦後民主主義が日本を堕落させたという史観を持っている。沖縄の持っている異質性や多様性を許してしまうと国の根幹が揺らいでしまうから、非常に目障りなのだ。

 今回、日本人の沖縄に対する差別意識の根深さが露呈した。歴史の傷は簡単には消えない。根底的に治癒するには、日本という国によほどの衝撃を与える異議申し立てが必要となる。