沖縄美ら島財団(花城良廣理事長)が、那覇市久茂地の老舗琉球料理店「美榮」の経営権を譲り受けたことが2日、分かった。今年2月に美榮の土地と建物を取得。新会社を設立し、経営を引き継いだ。

沖縄美ら島財団が経営を引き継いだ老舗琉球料理店の美榮=那覇市久茂地

 琉球王朝時代の宮廷料理などを再現する伝統的な料理や、琉球漆器などの食器類を貴重な財産と位置付け、経営や研究を通して、琉球の食文化の継承を目指す。

 美榮のホームページなどによると、美榮は1957年に沖縄の食文化に詳しいエッセイストで評論家の古波蔵保好氏(故人)が那覇市美栄橋に創業。60年に現在の久茂地に移転した。

 木造2階建てで瓦ぶき屋根の趣のある店舗で、東道盆(とぅんだーぶん)などの宮廷料理、中味の吸い物やジューシーといった琉球料理を伝統的な調理法を守りながら提供している。

 古波蔵氏の妹の登美氏が伝統料理を研究し、調理を取り仕切っていた。登美氏が亡くなった後は、古波蔵氏の義理の娘の徳子氏が引き継いでいる。ただ、後継者がいなかったため、事業承継が課題となっていた。

 沖縄美ら島財団は、首里城公園を管理し、琉球王国の歴史や文化の研究も手掛けている。美榮の伝統料理や食器類は沖縄の文化を研究する上でも重要と判断。経営を譲り受け、事業を継続し、伝統料理を継承していく。後継者育成にも取り組む。(政経部・照屋剛志)