【鹿児島県沖永良部島で西江千尋】琉球三山時代、北山王支配下の沖永良部島を統治した「えらぶ世之主」の没後600年を記念した「世之主野外音楽祭」(主催・同実行委)が3日、和泊町の世之主城跡であった。えらぶ世之主は、琉球三山時代の北山王の次男・真松千代のことで、14~15世紀ごろ、沖永良部島を治めた。三山を統一した中山王の和睦の船が島に来た時、襲来と勘違いして、戦を避けるため自ら命を絶ったと言われている。

世之主城跡の城壁をバックに、琉舞を披露する玉城流玉扇会玉城盛義琉舞道場のメンバー=3日午後4時半すぎ、鹿児島県和泊町・世之主城跡(西江千尋撮影)

 音楽祭では島唄や琉舞、世之主伝説の劇などが上演され、訪れた150人以上の人たちは島の歴史に思いをはせながら節目を祝った。

 音楽祭は、島で祝いの席や行事の幕開けに踊られる琉舞「踊りクヮーディーサー」で幕開け。紅型の琉装、花笠をまとった玉城流玉扇会玉城盛義琉舞道場のメンバーがあでやかに舞った。

 沖永良部の島唄を中心に歌う「遊弦会せりよさ」が沖永良部民謡「御酌節(くじゃくぶし)」や沖縄の「ひやみかち節」「唐船ドーイ」を披露すると、会場はカチャーシーで沸いた。

 和泊、知名の両町民有志で結成した「劇団がじゅまる」は、島が琉球や薩摩の支配を受けていなかった時代から、世之主が自害するまでの歴史を表現した劇「世之主」を上演した。

 「踊りクヮーディーサー」を踊った逆瀬川照代さん(62)は「沖永良部には琉球文化が色濃く残っている。600年の節目にこの場所で踊ることができて光栄」と話した。