宜野座村惣慶の小料理店「くりや」は、1991年7月に開店した。くりやは漢字を当てると「厨」で、台所の意味。惣慶出身の仲原正さん(64)が妻の正子さん(64)と切り盛りし、「どの品も600円なのにボリュームがある」との評判を聞きつけて村内外から客が足を運ぶ。

特製のタレで食べるサイコロステーキ

座敷とカウンター席のある店内=宜野座村惣慶

特製のタレで食べるサイコロステーキ 座敷とカウンター席のある店内=宜野座村惣慶

 県内外の料理店でコックとして腕をふるった正さんは25年前に独立。日によって一部メニューは変わるが、毎日丼物や定食、鉄板のすき焼きなど10品程度を用意している。

 サイコロステーキは、鉄板焼きで提供。ジュージューと音を立てる軟らかいハラミ肉に、ワインやバルサミコ酢、タマネギ、ニンニク、リンゴなどをミキサーに掛けて煮込んだ甘みのあるとろとろの特製タレをかければ、一気にほおばってしまううまさだ。

 なぜ600円なのか。正さんは「だって昼飯に千円出したらお客さんが大変でしょ」とさらっと言うが、お客さんにいい物を少しでも安く提供するために、本島中部の市場などに毎日足を運び、食材を調達するこだわりが、この値段を生んでいる。

 正子さんは「以前はチキンの空揚げ定食も出していて、あの味が忘れられない、と注文する人もいますよ」と笑顔で話す。実際、チキンがあれば今も提供しているそうだ。

 取材中、たまたま来店客の男性がケータリングを依頼した。「好き嫌いがあったら言ってよ」と言う正さんに「大丈夫。おじさんが作るのは全部おいしいから」と男性。そのやりとりを聞いて、正さんの料理に対する客の信頼を感じた。(北部報道部・伊集竜太郎)

 【店舗メモ】宜野座村惣慶1718。営業時間は午前11時~午後1時半。土日休みだが、不定期に休むことも。電話098(968)3250。