野菜の価格が高騰する中、安くておいしいレタスを安定供給している「生産者」がいる。沖縄県那覇市古波蔵の社会福祉法人そてつの会が運営する水耕栽培の野菜工場「ドリームファームそてつの風」で働く、障がいのある人たちだ。2株(約100グラム)入りで100円。葉が柔らかく、癖のない味も評判を呼び、工場で直接買い求める客もいる。(社会部・島袋晋作)

収穫したばかりの野菜を見せる(左から)西銘心さんと金城宗克さん=那覇市古波蔵・ドリームファームそてつの風

 「そてつの風」はパンの製造・販売などで実績があるそてつの会が、昨年末に設立。サンドイッチのレタスがヒントとなり、試行錯誤でここまでこぎつけた。空調の効いた室内で育てるため、天候に左右されず、種まきから収穫、出荷までの約1カ月のサイクルもほぼ決まっている。作業もシンプルで、就労支援にも役立つと考えた。

 4日、国道507号の裏通りにある野菜工場を訪ねた。わずか30坪の室内は育成用の棚でびっしりと埋め尽くされ、蛍光灯に照らされたサニーレタスのグリーンが鮮やかな色彩を放っている。

 ちょうど収穫の真っ最中で、5、6人がプラスチック製のトレイから採れたてのレタスを袋詰めにする作業をしていた。商品は主に市役所や保育所などで販売するが、安さと味に魅せられ、直接工場を訪れる人もいる。

 2カ月前に勤め先でこのレタスに出会って以来、購入を続ける首里鳥堀町の仲宗根邦夫さん(60)は「スーパーは高いが、ここはずっと100円。歯応えも味もいい。何より自立を目指すみんなが、頑張って育てていることが大きいよね」と魅力を語った。

 売り上げは工賃に充てられるが、光熱費も考えると採算はまだ厳しい。作業支援員の古波蔵仁さんは「まだ試行錯誤の段階。品質、生産性をより高めていけるようにしたい」と前を向く。

 この日、収穫作業をしながら、種まきやトレイの洗浄、組み立ての手順を教えてくれた金城宗克さん(38)は「作業は簡単で楽しい。わざわざここまで買いに来てくれる人もいてうれしい。もっとたくさん作りたい」と意欲を示した。