【読谷】沖縄戦で米軍の捕虜となり、ハワイの収容所で亡くなった沖縄県出身者の慰霊祭を現地で執り行うことを沖縄ハワイ協会(高山朝光会長)が検討している。同じく捕虜になりながら復員した渡口彦信さん(90)=読谷村=の調査では、沖縄に遺骨が戻っていない県出身者は12人。しかし、厚生労働省や県などに問い合わせても遺骨の所在は分からぬまま。「せめて慰霊祭で鎮魂して、少しでも安らかになってほしい」と渡口さんは願う。

英字のカルテを手に「慰霊祭で鎮魂すれば、少しは安らぎが得られるのではないか」と話す渡口彦信さん=4日午後、読谷村

 慰霊祭について、世界のウチナーンチュ大会で来沖したハワイ沖縄連合会の役員と高山会長、渡口さんが1日に話し合った。協会は、亡くなった12人の県出身者に関する情報をあらためて確認した上で、実行委員会を立ち上げ、来年の開催を模索する。

 渡口さんは1980年代にハワイを訪れ、米国の下院議員や弁護士を通して12人の死因などが記されたカルテを入手した。ハワイの墓地に埋葬されているとの記録があったが、渡口さんが現地を訪ねると、墓地はなくなっていた。

 その後も国や県に問い合わせ、今も遺骨の行方を追い求めるが、糸口がつかめぬまま自身は90歳を迎えた。「沖縄戦を生き延びたのにハワイで亡くなった本人や遺族は無念だったと思う。遺骨も戻したいが、これ以上の活動は難しい。戦後70年余がたっており、慰霊祭を一つの節目にできれば」と語った。

 高山会長は「捕虜になってご苦労されてハワイで亡くなり、遺骨も戻らないのは大変な無念であろう。来年は戦後72年になるが、鎮魂するという意味でも前向きに検討し、実施できるようにしたい」と話した。