「モーモーぐゎー(せみの幼虫)」の友情を描くうちなーぐち絵本『モーモーぐゎーぬ えんそうくゎぃ』を、あかみねすすむさん・なをみさん夫妻=浦添市=が出版した。しまくとぅばを伝えたいというなをみさんの思いに応え、すすむさんが話を創作、イラストを描いた。大型紙芝居に仕立てて読み聞かせを始め、さらに多くに伝えようと赤字覚悟で絵本にした。「祖父母世代が孫に読み聞かせをするときに使ってほしい」と願う。(編集委員・謝花直美)

しまくとぅばの絵本を作ったあかみねさん夫妻。文と絵をすすむさん(右)が、読み聞かせをなをみさんが担当する=那覇市久茂地、沖縄タイムス社

 同市城間出身のなをみさん(51)は昨年、市のうちなーぐち講座を受講。幼いころから祖母の話を聞き育った、「聞けるけど話せない世代」だ。受講を機に「引き出しを開けるように少しずつ言葉が出てきて」、驚いた。しまくとぅばを伝えたいという思いが高まった。「できることからやっていこうと思った」。仕事の合間に、幼稚園や保育園で読み聞かせを始めた。

 夫のすすむさん(51)は、読み聞かせに使う絵本の相談を受けた。すすむさんは建築パース制作が本業。「絵を描くのも物語をつくるのも好きだった」。一晩で物語と絵を完成させ、翌朝なをみさんに手渡した。そうして完成したのが、『モーモーぐゎーぬ えんそうくゎぃ いちゃりばちょーでー』だ。

 たいや まじゅん んちゃぬなーか(2人は一緒の土の中)。

 みっちゃい まじゅん んちゃぬなーか(3ひきは 一緒に土の中)

 モーモーと仲間の出会い、旅立ちまでの友情物語が、リズムのあるしまくとぅばで表現される。

 大型紙芝居に仕立てると、かわいらしい絵となをみさんの温かな語りで好評を得た。さらに多くの人に伝えたいと自費で8月に500冊を出版。採算は度外視し1冊千円でジュンク堂など大型書店で販売する。

 そこまでするのは同世代へのメッセージも込めたからだ。すすむさんは「学校では方言を話すと怒られた」。そうやって育った、聞けるが話せない世代が、自らの内に眠る言葉に気付いてほしいと願う。なをみさんは「そんな世代が、実際手に取り、読み聞かせをするときに役立ててほしい」と期待を込めた。

 絵本の読み聞かせ会が12月11日午後、ジュンク堂書店那覇店で開催される。