サンエーが、ファッションビル国内大手のパルコと協力し、浦添市に建設する沖縄県内最大級の複合型商業施設の開発に乗り出す。国内ファッションをリードし続けるパルコの経験を生かし、新たな店舗展開を模索するサンエーと、地元企業と組み、初進出の沖縄で基盤を築きたいパルコの思惑が一致。それぞれの強みを引き出し、地元客、国内外の観光客などの多様な客層の取り込みを狙う。県内小売業界からは戦略を評価する声がある一方、街づくり全体を見据えた商業施設のあり方を問う意見もあった。(政経部・照屋剛志、長浜真吾)

サンエーが開発する新商業施設の位置

 上地哲誠社長は「テナントの構成力、フロアのつくり方、情報発信力など業界トップクラスの能力がある」とパルコを評価。若者文化を創造してきたパルコのノウハウを取り入れ、魅力あるテナントの発掘やイベント企画などで新たな店舗運営を目指す。

 「地元客は新しさ、国内観光客は沖縄らしさ、海外観光客は日本らしさを体感できる施設にしたい」と強調した。

 パルコの牧山浩三社長は「地元を熟知するサンエーは心強いパートナー」とサンエーとの協力が沖縄進出の決め手になったと明かした。

 人口と観光客が増加を続け、那覇空港第2滑走路増設などインフラが整備される沖縄の将来性を挙げ、「ゼロから始めるとリスクが大きい。サンエーと一緒にやることで、パルコの次の展開を見いだせる」と期待。「ショッピングセンター事業を成功させ、沖縄での多面的な事業展開につなげたい」と意気込んだ。

 県内小売業役員は敷地面積8万5千平方メートルの広大な施設への集客は「サンエー単独では難しいと踏んだのだろう」と推測。

 ただ、「サンエーは無印良品や東急ハンズとフランチャイズ契約するなど外の力を取り入れるのがうまい。パルコは話題性もあり、戦略としてはいい」と評する。

 別の小売業幹部は「イオンモール沖縄ライカムも沖縄初ブランドで集客している。サンエーもライカムに対抗し、新ブランドを集めたいのでは」と述べた。

 一方、県内の経営者の一人は「東京にあるものを持ってくる手法は従来と変わらない。インターネットで何でも買える時代にどれだけ差別化できるのだろうか」と話す。

 好景気を背景に、次々とショッピングセンターが建設される中、「県内市場は限られている。似たような商業施設が増えればパイを奪い合い、利益が薄くなるだけ。独自性が一層、問われてくる」。

 商業施設を含めた街づくりのコンセプトや戦略を明確にする必要性を指摘した。