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  • 全国的に野菜が高騰する中、豆苗など工場生産の野菜が売れている
  • 急な増産体制に入れる強みがあり、学校給食で利用の問い合わせも
  • 一方、レタスやキャベツは依然高値の傾向が続いている

 エンドウ豆の若菜「豆苗」やモヤシ、カイワレなど工場で生産する野菜の売れ行きが好調だ。台風や天候の影響で全国的に野菜類が高騰している中、年間を通して一定の価格で店頭に並ぶ家計の「救世主」となっている。豆苗の県内唯一の生産工場「沖縄村上農園」(大宜味村、仲宗根悟社長)では、10月の出荷量が前年比1・5倍、11月は2倍超と伸長している。(北部報道部・城間陽介、政経部・又吉嘉例)

豆苗の出荷作業に追われる従業員ら=8日午後、大宜味村塩屋の「沖縄村上農園」

 村上農園が出荷する豆苗は1パック(約100グラム)税抜きで95円。さらに、一度使っても、残った根と豆の部分を水に浸せば、再び成長したものを収穫できる。ビタミン、ミネラルも豊富に含まれ、栄養面でも優れるという。

 仲宗根社長は「ようやく認知されてきた。安い、おいしい、栄養満点-の3拍子そろった豆苗を、ぜひ家庭の常備野菜として普及させたい」と意気込む。取引先には豆苗を使ったレシピの情報提供もしている。これからの季節にぴったりの鍋料理を始め、チャンプルーやラーメンに加えたり、生で食べるサラダもおすすめだという。

 加えて、今回のように急な増産体制に入れたのも発芽野菜の強みだ。植え付けから出荷まで最短で9日。「回転が速く、生産量の調整もしやすい」(仲宗根社長)という利点がある。現在は通常より2人多い従業員12人の増産体制で、朝8時から夕方5時ごろまで工場をフル稼働させる。

 社長自ら出荷作業に加わることもあり、午前、午後の1日2回、イオンやサンエー、かねひで、ユニオンなど県内大手スーパーに卸している。

 モヤシも好調だ。県内でモヤシ工場を稼働する、まえさと(西原町)によると、今回の野菜高騰以降、売り上げは伸びているという。担当者は「学校給食用に、キュウリの代わりに使いたいという問い合わせもある」と話した。

 沖縄協同青果によると、野菜高騰を受け、カイワレの取引量も伸びている。11月1~8日の取引量は、前年同期比の1・3倍になったという。

 一方、レタスやキャベツは依然、高値の傾向が続く。担当者は「本来なら九州の産地が中心になる季節だが、関東辺りまで産地を広げて集荷しないと手に入らない。この時期では珍しい」とした。