沖縄発のコンテンツ産業の可能性について話し合う「エンタメ産業×沖縄×オリジナリティー」(主催・県産業振興公社)と題したシンポジウムが8日、那覇市内であった。メイン講師を務めた那覇市出身の脚本家・上原正三さん(79)は「沖縄はコンテンツの宝庫。どんなメッセージを込めたいかをしっかり考えて作った作品は、必ず世界に伝わる」と参加したクリエーターら40人を激励した。

「沖縄はコンテンツの宝庫。世界に通用する作品を作ってほしい」と話す上原正三さん(左)。右は文京学院大学の公野勉教授=8日、那覇市松尾・八汐荘

 上原さんは故金城哲夫さんらと共に「ウルトラマン」などを手掛け、フリーになった後は「帰ってきたウルトラマン」「がんばれ!! ロボコン」などでメインライターを務めた。

 「帰ってきた~」の第33話「怪獣使いと少年」では差別と集団心理の恐ろしさを描いた。関東大震災の朝鮮人虐殺をモチーフにしたという。「共通語の発音がおかしいという理由で殺された東北の人もおり、琉球人の僕も人ごとではないと考えた。その後、十五年戦争に突き進んだ日本人の集団心理の危うさを問いたかった」と作品に込めた思いを語った。

 子ども番組にこだわったのは特撮の神様・円谷英二氏の「子どもの夢を壊すな」との姿勢に感銘を受けたから。「特撮やアニメなどを見下す偏見の目を打ち破りたかった。まばたきもせずに見てくれる子どもにしっかりした作品を見せようと、脇目もふらず書いてきた」と述べた。

 今後は「武器を持たずに敵を説得するヒーロー」など、沖縄発の子ども番組を作ると宣言。先祖や自然を崇拝する心、母が子にする「マブイグミ」の風習などの素晴らしさを説いた上で「そんな風土で培ったバイタリティーが生み出す作品に期待する。『こう思ったからこう書いた』でいい。批判を恐れないで」と参加者にエールを送った。

 このほか、琉球放送の上村創さんと沖縄テレビの山里孫在さんが番組制作について対談。「身近に素晴らしいものがあるのに気付かず、東京で評価されて初めて知る。自分たちの価値観で、正確に判断する必要がある」などと意見を交わした。