米大統領選で共和党のドナルド・トランプ氏が勝利したことを受け、県内シンクタンクは経済政策の先行き不透明感から投資や消費といった経済活動が控えられ、世界景気全体を落ち込ませる可能性があると指摘した。日経平均株価は一時1千円超の下げ幅を記録し、円高も進行。円高株安の傾向が続けば、国内や県内でも観光と消費の停滞を招きかねず、「好調が続く県内景気に水を差しかねない」と懸念した。

那覇市街

 りゅうぎん総合研究所の久高豊常務は「円高は日本の輸出産業に影響を与える。株安も加わって、国内の消費マインドの悪化を誘い、停滞感の出てきた国内景気をさらに下押しする不安材料となった」と分析。「沖縄は消費が好調だが、国内景気が悪くなれば買い控えが出てくる可能性がある」と見通した。

 トランプ氏が環太平洋連携協定(TPP)などの貿易自由化に反対していることについて、「世界の貿易が停滞することになり、世界景気全体も押し下げかねない」とする。「これからの経済政策を注視していきたい」と述べた。

 おきぎん経済研究所の出村郁雄社長は「米国の政治状況、政策の不透明感により為替面、日本株の行方についてもしばらくマイナス要因が続くのではないか」と予想した。

 円相場が1ドル=100円を大きく割り込むなど極端な円高水準となれば、好調なインバウンド需要がしぼみ、「県内消費が失速し、ホテル建設・投資なども影響を及ぼすことになるだろう」と話した。

 海邦総研の比嘉明彦上席研究員も「急激に円高・株安が進むことが懸念される」と株式と為替の市場動向を気にかける。

 「これまでの発言や公約を実現させようとして、国際政治も不安定な状況が続くことになれば、多くの在沖米軍基地が存在する沖縄は、2001年9月11日の米中枢同時テロ後と同様な悪影響が、観光関連を中心に出てくる可能性がある」との懸念も示した。

 「TPPが発効されなければ、県内の農業従事者にとっては朗報になるかもしれない」とする一方、経済のグローバル化は今後も進展するとし「より付加価値の高い商品開発といった各企業の努力が求められることは変わらない」と強調した。