近い将来、沖縄でも大きな地震や津波が発生すると多くの人が思ってはいるが、防災の意識は低い-。沖縄県が2015年に実施し、ことし6月に公表した県民意識調査でそんな県民性が明らかになった。万一に備えた体制づくりが急がれる中、調査結果から読み取れる背景や課題を探った。

家具の固定10.3% 食料など保存12.9% 地域の訓練参加7%

 

 調査結果によると「沖縄で近い将来、大きな地震・津波が発生する」と認識しているのは58・8%で半数を超えた。また、「地震の際、無用な外出を控え、屋内にとどまることも避難の一つだと知っている」のも64・7%で、防災に関する認識も一定程度持ち合わせていることが分かる。

 しかし平時から災害に備える体制を整えているかどうかに関する設問では、防災意識の低さが浮き彫りになった。「地震の揺れに備えて家具等の固定をしている」のは10・3%、「災害時に備えて食料または飲料水を保存している」のも12・9%にすぎない。

 地域のハザードマップについて「見たことがある」と答えた人も37・2%で、地震・津波発生時の避難場所の位置や避難ルートについても「把握している」と答えた人は35・8%にとどまっている。

 住民が自主的に連帯して防災活動を展開する「自主防災組織」に入っていると答えたのはわずか1・9%で、地域の防災訓練に積極的に参加しているのも7・0%だった。

 1995年の阪神大震災で生き埋めになったり、閉じ込められたりした際に救助された人を調べると、自力または家族、通行人などによる「自助・共助」で助かった人の割合は97・5%に上る。

 県防災危機管理課の担当者は、大規模災害時は警察や消防などの行政機関が被災して救助が遅れることが想定されるとし、「住民一人一人が『自分たちの地域は自分たちで守る』ことを意識し、自主的な防災活動を行うことが不可欠。このため、地域の防災組織がとても大事になる」と強調する。

 しかし、県内の自主防災組織率は2015年度で23・1%と、全国平均の80・0%を大きく下回る。県は21年までに組織率を76%まで上げる目標を掲げ、市町村職員を対象にした講演会を開くなど周知に力を入れる考えだ。

 県は近年の大規模災害や県民に対する注意喚起の必要性を踏まえ、今回の県民意識調査で初めて災害への取り組みを調査。県内に住む満15歳以上、75歳未満の2千人を対象とした。(社会部・島袋晋作)