整形外科は筋肉や骨を主に扱う診療科です。美容などで整形という言葉がよく出てきますが、美容は形成外科が専門になりますのでぜひそちらでご相談頂きたいと思います。

 さて骨を扱う、というと皆さまどのような治療を思い浮かべるでしょうか。骨折してしまってギプスを巻いたり、大工さんのようにドリルやトンカチを持って骨折をつないだり、といったイメージが主だろうと思います。もちろんそれも大事な整形外科医の役割の一つです。他にも、関節が傷んで駄目になってしまった方への人工関節手術、背骨が曲がってしまったり背骨の中の神経にさわるようになってしまった方への脊椎手術、またスポーツ障害の内視鏡手術、骨や筋肉にできた腫瘍手術なども整形外科の担当になります。

 しかしそれだけではありません。そもそも骨の体内における働きってどのようなものがあるかご存じですか?

 皆さまご存じなのは、硬くて体の支柱になるようなもの、という点だと思います。もちろんこれも大事な骨の役割です。しかしここ最近は骨の分野の研究が飛躍的に進んできており、「骨免疫」という言葉が出てきているように、体全体に影響を及ぼす一つの臓器である、という捉え方がなされるようになってきました。骨が臓器の一つなんて不思議な感じがしますね。カルシウムやリンなどのミネラルの調整作用、骨の強さの調整作用、血を作りだす造血作用、が骨の三つの大事な機能といわれています。そのため、副甲状腺や腎臓などとも大切な連携を取っています。整形外科はその骨の専門家ですので、最近は骨だけを診るのではなく、骨を中心に全身を診る必要が出てきており、大変興味深い分野になっています。整形外科なのになんで採血するんですか? という質問も頂くことがありますが、このような理由があることをご理解いただければと思います。

 骨がもろくなってしまう骨粗しょう症という病気も皆さまご存じだとは思いますが、その治療も最近はいろいろな新しい方法が確立されてきています。以前は一つ薬を飲んで骨を強くしましょう、という治療でしたが、最近はそれだけでは不十分で、非常に綿密な計画に基づいた治療が必要になっていることも研究の結果から分かってきています。その治療も大事な整形外科医の役割です。

 骨について困ることがあれば、ぜひ整形外科にご相談ください。また現在、整形外科を受診なさっている場合には、骨を中心にいろいろな分野を診ているんだなぁ、と思いながら受診していただくと面白いかもしれません。(山内裕樹 同仁病院)