写真家の石川真生さんが1990年代に撮影した沖縄芝居の役者の大判写真が、このほど那覇市民ギャラリーで沖縄初展示されている。写真の中で「得意の見栄(みえ)」をきる12人の役者中8人がこの世にいないが、今にも息づかいが聞こえそうな迫力でずらり並ぶ。

「亡くなった人もいるけれど、私の写真の中でかっこよく決めて生きてくれている」と語る石川真生さん=10日、那覇市民ギャラリー

 写るのは真喜志康忠さんや大宜見小太郎さん、兼城道子さん、平良とみさんら。石川さんが仲田幸子さんの13年間の密着取材を経た90年代初頭、「戦前から活躍する沖縄芝居の役者や裏方が高齢になり、くしの歯の欠けるように亡くなっている」と気付いたのが撮影のきっかけという。

 「戦後の沖縄の人たちの心を琉球語で和ませ、アイドルのようだった役者、芝居を支える地謡や幕引きたち。今のうちに残さなくちゃって初めて義務感に燃えた」。数年かけて緞帳(どんちょう)の下りた後の舞台で撮り続けた。石川さんら5人の写真家による〈沖縄・アジア〉フォトクロスロード展は13日まで。