沖縄県の翁長雄志知事は11日の定例会見で、鶴保庸介沖縄担当相が「『土人』発言」に「差別と断定できない」などの認識を示したことに「沖縄の歴史が分かっていれば、出てこない(発言)と思う。大変遺憾であり、残念だ」と失望感を示した。「『土人』発言」そのものには「県知事としても一県民としても言語道断で、到底許せるものではなく、強い憤りを感じている」と改めて怒りを表明した。

定例記者会見で、鶴保沖縄相の発言について「大変遺憾で残念だ」と述べる翁長雄志知事(左)と首相官邸に入る鶴保氏=11日

 知事は沖縄担当相の職責について「閣僚の中で一番、沖縄に気持ちを寄せ、気持ちをくんで沖縄の振興を一緒に頑張っていく立場にある」と指摘。「そういった言動が複数回、話題になるのは大変残念だ」と述べた。

 その上で「沖縄の歴史、なぜ沖縄担当相という役職があるのか含め、議論する機会があれば、しっかりお伝えしたい」と強調した。

 米大統領選でトランプ氏が当選したことを受けた対応では「沖縄問題はたいへん微妙な難しい問題だ。本人に少しでも直接報告したいと思い、ワシントン事務所には指示をしている」と説明。県ワシントン事務所に、トランプ氏との直接会談を実現するよう指示したことを明らかにした。

■鶴保大臣、発言撤回せず 

 【東京】鶴保庸介沖縄担当相は11日の閣議後会見で、沖縄県東村高江周辺の米軍ヘリパッド建設に抗議する市民に対する大阪府警の機動隊員による「土人」との発言に関して、「差別と断じることは到底できない」とした自らの発言を撤回しない考えを改めて示した。

 民進党の蓮舫代表が「理解できない」と批判したことに対しては、「何度も同じ事を繰り返すしかこの件にはないので、コメントございません。ここでもう一度繰り返すと、またいろいろ言った、言わないになる」と述べるにとどめた。

 金田勝年法相が「差別的発言」だと認めていることについて、鶴保氏は詳細を把握していないとして「法相に話を聞いていただければと思う」とした。

 公明党の井上義久幹事長は同日の会見で、鶴保氏の発言に関し「沖縄が、沖縄への蔑視や差別の象徴として捉えていることを重く見る必要がある」と苦言を呈した。