米軍北部訓練場のヘリパッド建設をめぐり県は、地元の東村、国頭村と共同で、オスプレイ使用を前提にした環境影響評価調査(アセスメント)を再実施するよう政府に申し入れる。

 翁長雄志知事が11日、記者会見で明らかにした。

 ヘリパッド建設は県の環境影響評価条例で環境影響評価が義務づけられた事業ではないが、政府は工事に着手する前に、条例に準じた自主アセスメントを実施した。

 「やんばるの森」は貴重な生物が生息する生物多様性の豊かな地域で、ヘリパッド移設による環境への影響を懸念する声が強かったからだ。

 だが、自主アセスは致命的な欠陥を持っていた。オスプレイ使用を前提にしたものではなかったのである。

 県や環境団体はこれまで何度も再調査を求めてきたが、政府は「(自主アセスは)騒音レベルがオスプレイよりも大きいCH53ヘリを対象に行われており、再アセスの必要はない」と拒否し続けた。

 政府の主張はまったく説得力がない。

 垂直離着陸機能を持つオスプレイは、CH53ヘリと違って独特の低周波音や排気ガスの風圧、排気熱を発生させ、飛行形態や高度も異なる。

 高江周辺にはすでに二つのヘリパッドが建設され、オスプレイの飛行訓練に伴う騒音苦情が相次いでいる。

 オスプレイを使った再調査は不可欠だ。自主アセスに欠陥がある以上、法律や条例で義務づけられていなくても、再調査によって欠陥を補うのは当然の話ではないか。

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 ヘリパッドの年内完成に向け沖縄防衛局は11日、歩道整備のため14日から民間ヘリを投入して資材搬入を行う、と県に連絡してきた。

 関係機関の意見も聞かずに歩道整備を実施することはアセス制度の趣旨に反する、と県は主張する。

 自衛隊ヘリを投入したかと思ったら、今度は民間ヘリを使って資材搬入。ヘリパッド移設工事をめぐっては、一事が万事、こんな調子だ。米軍の意向や主張を優先した強権的姿勢が目立つ。

 環境調査でノグチゲラの巣穴が15カ所確認されたG地区は、近くの宇嘉川河口部の陸域と水域が新たに米軍に提供され、ヘリパッド建設が認められた。

 上陸訓練のため「必ず必要」だと言う米軍の主張が受け入れられたのである。

 N4地区は、高江区に近く、区が計画見直しを求めていたが聞き入れられず、ヘリパッドが建設された。特有の騒音をまき散らしてオスプレイの訓練が繰り返されている。

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 11日の記者会見には、伊集盛久東村長、宮城久和国頭村長は同席していないが、再調査の実施要請は、3者の連名になる予定だ。翁長知事の説明によると、県内の市町村長が足並みをそろえて安倍晋三首相に要請した「建白書」の精神に基づき、オスプレイの配備撤回も求めていく。

 政府がオスプレイの配備撤回を受け入れる可能性はほとんどないが、「建白書」の精神を確認し、共同で要請するのは意味がある。