週末にやんばる一円で開かれたツール・ド・おきなわはエントリーした4741人のうち約1割の461人が女性だった。女性の参加は増えているという

▼最高齢は75歳。全国の舞台で活躍する若手にも会えた。突然の死別を乗り越えようと夫が好きだった自転車を始めた女性も。理由はそれぞれでも、坂や風はみんなに平等だ

▼ところが、イランの女性たちはスタートラインにさえつけない。最高指導者ハメネイ師が9月、公共の場で女性が自転車に乗るのを禁じるファトワ(宗教見解)を出したからだ。理由は「男性の関心を引き、社会の堕落を招く恐れがある」

▼これに先立ち、警察が自転車に乗った女性を実際に逮捕した事例まで報じられている。イランの女性たちは自転車に乗る写真やビデオを自らインターネットに投稿して抗議している

▼たとえ宗教や文化が違っても、スポーツを楽しむ心に性別はない。イランの女性たちを応援したい。取材に「男性の邪念の方を治した方がいいのでは」と答えた女性がいた。全くもってその通り

▼遠い国だけの話ではない。私たちの中にも、女性に不当な責任を負わせる発想の芽が眠っている。例えば日本の道によくある「痴漢に注意」という看板。最近、知人から「痴漢をやめろ、が本筋ではないか」と指摘されて、はっとさせられた。(阿部岳)