シンガポール出身の監督が5日から、伝統的な沖縄料理をテーマにしたラブストーリー「Jimami Tofu(ジーマーミ トーフ)」を沖縄県内で撮影している。約1カ月かけ、那覇市首里金城町の石畳や読谷村の座喜味城跡、本部町備瀬などを巡る。2017年2月にはシンガポールやマレーシアで配給を始める予定で、県内では調整中。那覇-台湾線、那覇-香港線を含む世界93路線で機内上映が決まっている。14日、監督らが県庁で記者会見した。

映画「Jimami Tofu」への思いを語る出演者ら=14日、県庁

 作品には、県出身俳優の津嘉山正種氏、県出身ダンサーの仲宗根梨乃氏、県外出身女優の山本真理氏らが出演する。プロデューサーはシンガポール出身のクリスチャン・リー氏、監督と主演は同じシンガポール出身のジェイソン・チャン氏が務める。

 沖縄観光コンベンションビューローと県によるフィルムツーリズム推進事業の一環。シンガポールの映画制作会社への助成は初。シンガポールには欧米からの航空路線が多いチャンギ空港があるため、映画を通じて沖縄の魅力を広く発信する狙いがある。

 作品は90分で、8割が英語での収録。津嘉山氏は東京で働いた経験を持つ沖縄の頑固な料理人、山本氏は東京に残された娘を演じる。チャン氏は娘の彼氏役で、仲宗根氏を通じて津嘉山氏と出会い、料理の修業を始める。父と娘、娘と彼氏の間の感情のもつれを料理が癒やす。

 リー氏とチャン氏が制作に踏み切ったきっかけは、那覇市首里赤田町にある沖縄宮廷料理店「赤田風」での食事。「国を征服せず交易で力強くなった歴史が一品一品に詰まっている」と感じ、沖縄の太陽や海とは違ったインスピレーションを得たという。沖縄料理の象徴として「Jimami Tofu」を作品名に据えた。

 津嘉山氏は会見で、「作品中、私はブロークンイングリッシュ、チャン氏は片言の日本語でやりとりする。殺伐とした現代、『伝えたいというハート』を大事にする意味を伝えたい」とあいさつ。女優初デビューを果たす仲宗根氏は「東京で食べる琉球料理は、おいしいけどなんか違うやっさー。改めて琉球料理を振り返っている」と話した。