沖縄防衛局は14日、米軍北部訓練場のヘリパッド建設を巡り、国頭村安波の「G地区」と宇嘉川河口部を結ぶ歩行訓練ルートの工事のため、民間のヘリコプターを使用して資機材を搬入した。関係者によると、15日も引き続きヘリを使った搬入を継続する見通し。

民間ヘリで資材が搬入され工事が進むヘリパット=14日、東村(琉球朝日放送提供)

 防衛局によると、G地区から提供水域までの歩行ルートの整備上、地形が急斜面なため、建設に関する資機材の運搬が困難な区域があることから、ヘリによる搬入が必要だとの判断をした。

 歩行ルートは東海岸に流れる宇嘉川河口付近からG地区につながる道で、全長は約2キロ。ゴムボートで歩兵部隊が上陸し、オスプレイや攻撃ヘリなどと連携した訓練などが想定されているという。政府は1998年12月に宇嘉川河口部の陸域38ヘクタールと水域121ヘクタールを提供している。歩行訓練ルートが完成すると、海側からの上陸訓練が可能になるなど、建設しているヘリパッド4カ所で運用上、必要な条件が整うことになる。

 県は4日、歩行訓練ルートは防衛局が2007年に提出した環境影響評価図書に記載がない「新たな工事」だとして、反対する考えを文書で伝えていた。

 ただ、政府は12月20日を軸に訓練場の返還式典を実施したい考えで、工事を継続する方針だ。

機動隊は一体何を守っているのか

 米軍北部訓練場のヘリパッド建設が進むやんばるの森に14日、沖縄防衛局がチャーターした民間ヘリコプターのローター音が約2カ月ぶりに響いた。ヘリは訓練場内を12回往復し、発電機などの資材を運搬。建設に反対する市民は「ヘリ使用に反発がある中、県民の気持ちを逆なでする行為だ」と憤った。

 ヘリが訓練場に飛来したのは午前9時半すぎ。目撃した大阪府の大学生(21)は「ヘリの音で何も聞こえなくなり、悲しくなった。機動隊は一体何を守っているのか。自然への傲慢(ごうまん)だと思う」。浦添市の男性(67)は「県民が反発する中であえて飛ばしたのは、何とか建設したいという国の強引な姿勢だ。絶対に許せない」と力を込めた。

 「われわれの税金が飛んでいる」。本部町の男性(68)はヘリを見上げ、あきれたようにつぶやいた。神奈川県の自営業の男性(52)も同調し「教育や福祉に使うべきお金を基地建設のために使うのは、非常にむなしい行為だ」と指摘した。

 この日もN1地区ゲート前では反対する市民と機動隊員がにらみ合う中、土砂を積んだダンプ延べ55台がゲートを出入りした。